わたくしのホームページ https://www.hisasima.jp に、以前に書いて置き忘れていた
極限計算のあれこれ
「$\alpha$ と $\beta$ が等しい」ということの $\varepsilon$ 論法による表現
を載せた。
微分を中心に世界をみると \begin{align} \frac{df(x)}{dx} = f^\prime(x) \label{e1} \end{align} といったような感じで $f^\prime(x)$ が $f(x)$ から導かれる。文字通り「導関数」である。この形では、2つの関数 $f(x)$ と $f^\prime(x)$ が微分演算で結びついていると捉えられる。
不定積分を中心に世界をみると、$C$ を任意の定数として \begin{align} \int f^\prime(x)\,dx = f(x) + C \label{e2} \end{align} といったような感じで $f(x)$ が $f^\prime(x)$ から導かれる。$C$ の任意性から、この積分については「不定」ということばが被せられている。そしてこの不定積分の結果が「原始関数」と呼ばれる。$f(x)$ は $C=0$ のときの原始関数である。この形では、2つの関数 $f(x)$ と $f^\prime(x)$ が積分演算で結びついていると見做せる。
\eqref{e1} と \eqref{e2} を融合する。この融合に際しては、微分演算は分配可能であり、かつ、定数の微分は $0$ であることを前提として丁寧に書けば \begin{align*} \frac{d}{dx}\left\{\int f^\prime(x)\,dx\right\} = \frac{d}{dx}\bigl(f(x) + C\bigr) = \frac{d}{dx}f(x) = f^\prime(x) \end{align*} であり、簡潔に書けば \begin{align*} \frac{d}{dx}\left\{\int f^\prime(x)\,dx\right\} = f^\prime(x) \end{align*} である。これは、微分の世界(導関数)と不定積分の世界(原始関数)が融合された結果であり、ときとして「微分積分学の基本定理」と仰々しく呼ばれることがある。
さて、かつては教室で \begin{align*} \frac{df(x)}{dx} \; \text{は分数ではありません} \end{align*} となんども言われたけど、もう大人になったので \eqref{e1} から \begin{align*} df(x) = f^\prime(x)\,dx \end{align*} という変形ができることを認めてしまう。分数でないにしても、これくらいはいいだろう(と思う。きっとどこかでこの論法の正当性が保証されているに違いあるまい)。そして両辺に不定積分を施すと \begin{align*} \int df(x) = \int f^\prime(x)\,dx \end{align*} と書ける(これについても、厳密な正当性の保証がどこかでなされているに違いない)。ここに \eqref{e2} を適用すれば \begin{align} \int df(x) = f(x) + C \label{e3} \end{align} である。野次馬的にみると、$df(x)$ を積分すれば $f(x)$ つまり自分自身(+定数)になるのである。ほほう、しめしめ。
多変数関数になると全微分と呼ばれる量を取り扱うようになるが、その量にたいして、今までの理路を演繹できるのでは、という邪念が走った。この邪念について、2変数関数の例でいくつか考えてみる。
$f(x, y) = x^2 + y^2$ のとき、全微分は \begin{align*} df(x, y) = \frac{\partial f}{\partial x}dx + \frac{\partial f}{\partial y}dy = 2xdx + 2ydy \;. \end{align*} よって、 \begin{align*} \int df(x, y) = \int(2xdx + 2ydy) = \int 2xdx + \int 2ydy = x^2 + y^2 + C \end{align*} と、全微分を不定積分すれば自分自身(+定数)になる。とはいえ、この積分に分配法則を無邪気に適用していいのか、というくらいの注意力は必要だろう。
さらには、$f(x, y) = xy$ となると \begin{align*} df(x, y) = ydx + xdy \end{align*} だから \begin{align*} \int df(x, y) = \int ydx + \int xdy = 2xy + C \end{align*} となって、積分の分配を認めたとしても、自分自身(+定数)にはならない。
したがって、最初の例は「たまたまそうなった」という結果オーライの例なのであろう。そもそも2変数関数の不定積分(原始関数)というものがはっきりしないのに、1変数関数の場合にしめしめと味をしめて、$\int df = f + C$ がいつでも成立する、などというホラは御法度であり、そうは問屋が卸さないのである(というか、問屋の前での門前払いか)。
(FB に載せたものを、こちらにも載せておく ことにした)
手元の M1 Macbook にスタンドアロンで使える GNS3 環境を用意しようと思い立ち、
またもや書き方のこだわりについてである。相手は「導関数」。この言葉からも明らかなように、これは関数なのであるからして、関数への入力となる変数も決まっているだろう。関数が $f$ で変数が $x$、つまり関数が $f(x)$ と丁寧にあらわされるときに、導関数は次のように書かれることが多い: \begin{align*} \text{$f(x)$ の導関数} \equiv \frac{df(x)}{dx} \equiv \frac{d}{dx}f(x) \end{align*} 関数がぶっきらぼうに $f$ とだけ書かれていても、導関数は通常 \begin{align*} \text{$f$ の導関数} \equiv \frac{df}{dx} \equiv \frac{d}{dx}f \end{align*} のようにも書かれる。ここで見た目から効いてくるものは $dx$ という「微分量」で、これがある意味 $f$ の変数は $x$ であるということを示唆している。ここが $du$ であったら、関数 $f$ の変数は $u$ である、ということが暗黙に諒解される。
蛇足だけれど \begin{align*} \frac{d}{dx}f(x),\quad \frac{d}{dx}f \end{align*} という書き方には、ちょっと大人の気分が入っていて、$d/dx$ が独立して存在しているというようなメッセージが込められているように思える。ここから「演算子」というものへの道が見えてくる。
さていま関数 $f$ が \begin{align*} f = u^3x^2 + 2u^2 + x \end{align*} であるときを考えてみる。導関数の計算では、変数以外は定数であるとみなされるので、 \begin{align*} \frac{df(x)}{dx} = 2u^3x + 1 \;, \quad \frac{df(u)}{du} = 3u^2x^2 + 4u \end{align*} といった結果になる。つまり、導関数は、変数がはっきりしないと確定しないのだ。そしてここからが厄介なところなのだが、文脈からして変数は自明、みたいな状況があって、そのときには、導関数は $f^\prime$ のようにあらわされることがある。もちろん $f^\prime(x)$ もある(数学に限らず、物理とか化学の本を読んでいると、「$f$ とほんのちょっと違うものを $f^\prime$ とする」などという場合もあって、導関数の分別の厄介さに輪がかかる)。
ここで関数の気持ちになってみる。
「変数の記号がなんであれ、私という関数は関数として存在しているのだから、その導関数も存在している」その主張が込められている書き方が、もしかすると、$f^\prime$ なのかもしれない、という屁理屈が浮かぶ。とはいえ、変数が決まらないと関数の形は書き表せないということもまたひとつの事実。関数と変数の関係は、持ちつ持たれつという感じである。
「文脈に依存する」「文脈を見れば明らかだ」というような方便が世の中にはある。なにを変数としているかは、「文脈を見れば明らか」なので、その変数で微分しているものが $f^\prime$。ま、そういう「文脈」を取り込んだ書き方なんだろうと思えば良いだろう。「文脈」が明らかでない場合には、変数を明示的に示して \begin{align*} \frac{df(x)}{dx} \;, \quad f^\prime(x) \end{align*} とするのが安全な処方なのであろう。
こういう事柄に変にこだわるところが、わたくしの切れ味の鈍さなんだろうと思うと、ちょっとへこむけれども、ま、しょうがない。
ここ何回か無味乾燥な計算結果をかいてきたので、今回はちと趣向を変えて関数の書き方についての思うところを。
「関数」とは何か、と大きく出るといろいろやけどをしそうなので、いまここでは、関数のイメージのひとつである \begin{align*} \text{数を入力すると数を返すものが「関数」である} \end{align*} を採用することにしよう。そしてこのように定められた関数それらを、まずは $f,\, g,\, h$ という文字であらわすことにする。そして「数」を $x,\, y$ などであらわすことにする。この表記を採用すると、上に書いた関数のイメージは、図式的に次のように書きあらわすことができるだろう: \begin{align*} x \;\stackrel{f}\longmapsto\; y \quad\text{または}\quad f: x \;\longmapsto\; y \end{align*} $x$ は入力される「数」を代表したものであり、$y$ は関数 $f$ の働きによって返された「数」である。$x$ は一応どんな数であっても良いはずだから、その含みも込めて、「変数」と呼んだりする。
関数と変数の仲の良さを見せつけるときには \begin{align*} y = f(x) \end{align*} と書く。仲の良さをあらわすこの $f(x)$ という書き方は、$x$ が関数の入力となる「変数」であるということを主張していると捉えてもいい。特段に仲の良さを見せつける必要などない場合には、単に $f$ とだけ書けばいいだろう。「関数 $f$ と $g$ を加えると‥‥」といった具合にである。
このイメージをキープしつつ歳を重ねて行けば、どんな文字で関数や変数があらわされていても、動じなくなるはずである。実際に関数については、ギリシア文字 $\psi$ や $\phi$ などが使われるし、変数だって $\omega$ や $\lambda$ などよりどりみどりである。ただそこにも慣習というものがあって、関数を $x$、変数を $f$ として $x(f)$ という形になると、違和感は満載である。
さてここで、関数 $f$ が \begin{align*} u^3x^2 + 2u^2 + x \end{align*} というものだったとすると、はてさてこれは一体何が変数なのであろうか。その解釈は、実際にはその時の立場による。つまり $x$ を変数として捉えたいのであれば $f(x)$。$u$ を変数として捉えたいのであれば $f(u)$。両方とも変数ならば、$f(u, x)$。そう解釈すればいい(お、珍しくそれなりに上出来な説明になっていまいか?)。
著名なガウス積分に、微分と積分の順序交換を適用して、計算をしてみる。まずガウス積分そのものは \begin{align*} \int_\infty^\infty e^{-\alpha x^2}\,dx = \sqrt{\frac{\pi}{\alpha}} = \sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{1}{2}} \quad (\alpha \gt 0) \end{align*} であるから、これの両辺を $\alpha$ で微分することによって \begin{align*} &\frac{d}{d\alpha}\int_\infty^\infty e^{-\alpha x^2}\,dx = \int_\infty^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}e^{-\alpha x^2}\,dx = \int_\infty^\infty -x^2e^{-\alpha x^2}\,dx \;, \\ &\frac{d}{d\alpha}\left(\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{1}{2}}\right) = -\frac{1}{2}\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{3}{2}} \end{align*} が得られる。したがって \begin{align*} \int_\infty^\infty x^2e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{3}{2}} \;. \end{align*} 同様に繰り返すと、 \begin{align*} &\frac{d}{d\alpha}\int_\infty^\infty x^2e^{-\alpha x^2}\,dx = \int_\infty^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}\left(x^2e^{-\alpha x^2}\right)\,dx = \int_\infty^\infty -x^4e^{-\alpha x^2}\,dx \;, \\ &\frac{d}{d\alpha}\left(\frac{1}{2}\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{3}{2}}\right) = -\frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{5}{2}} \end{align*} であることから \begin{align*} \int_\infty^\infty x^4e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{5}{2}} \;. \end{align*} もう一度繰り返せば \begin{align*} &\frac{d}{d\alpha}\int_\infty^\infty x^4e^{-\alpha x^2}\,dx = \int_\infty^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}\left(x^4e^{-\alpha x^2}\right)\,dx = \int_\infty^\infty -x^6e^{-\alpha x^2}\,dx \;, \\ &\frac{d}{d\alpha}\left(\frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{5}{2}}\right) = -\frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{5}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{7}{2}} \;, \end{align*} \begin{align*} \therefore\; \int_\infty^\infty x^6e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{5}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{7}{2}} \;. \end{align*} 以上より、自然数 $n$ を用いて一般化することができて、 \begin{align*} \int_\infty^\infty x^{2n}e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{5}{2}\cdots\frac{2n-1}{2}\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{2n+1}{2}} \;. \end{align*}
馴染みの形式に持っていくと、$n=0$ のときはガウス積分そのもので \begin{align*} \int_\infty^\infty e^{-\alpha x^2}\,dx = \sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{1}{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{a}} \end{align*} である。$n=1$ のときは \begin{align*} \int_\infty^\infty x^2e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{3}{2}} = \frac{1}{2}\cdot\frac{1}{a}\sqrt{\frac{\pi}{a}} \end{align*} であり、$n=2$ のとき \begin{align*} \int_\infty^\infty x^4e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{5}{2}} = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{1}{\alpha^2}\sqrt{\frac{\pi}{a}} \end{align*} $n=3$ のとき \begin{align*} \int_\infty^\infty x^6e^{-\alpha x^2}\,dx = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{5}{2}\cdot\sqrt{\pi}\alpha^{-\frac{7}{2}} = \frac{1}{2}\cdot\frac{3}{2}\cdot\frac{5}{2}\cdot\frac{1}{\alpha^3}\sqrt{\frac{\pi}{a}} \end{align*} などと求められるのである。
この積分にわたくしが出会ったのは、詳解 物理応用数学演習 の 86 ページの演習問題であった。もちろん各方面各所の教科書にも載っているに違いない。
以前この blog で微分と積分の順序交換について書いたけれど、その順序交換 \begin{align*} \frac{d}{d\alpha} \int_R f(\alpha, x)\, dx = \int_R \frac{\partial}{\partial \alpha}f(\alpha, x)\,dx \end{align*} が成り立つことを想定しておこう。そしてまずはじめに $\int_0^\infty e^{-\alpha x}\,dx\;\;(\alpha > 0)$ を計算する。これはなんの特別な技術をも使わず素直に \begin{align} \int_0^\infty e^{-\alpha x}\,dx = \left[ -\,\frac{1}{\alpha}e^{-\alpha x}\right]_0^\infty = \alpha^{-1} \label{eq1} \end{align} ともとまる。ここで左辺を $\alpha$ で微分するのだけれど、そこに上記の微分と積分の順序交換の関係を適用すれば \begin{align*} \frac{d}{d\alpha}\int_0^\infty e^{-\alpha x}\,dx = \int_0^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}e^{-\alpha x}\,dx = \int_0^\infty -xe^{-\alpha x}\,dx \end{align*} となる。\eqref{eq1} の右辺を $\alpha$ で微分すれば、これは通常の素直な微分操作で \begin{align*} \frac{d}{d\alpha}\left(\alpha^{-1}\right) = -\alpha^{-2} \end{align*} であるから、結果として次の関係が得られる: \begin{align*} \int_0^\infty xe^{-\alpha x}\,dx = \alpha^{-2} \;. \end{align*} 同様の手順をもう一度繰り返すと \begin{align*} &\frac{d}{d\alpha}\int_0^\infty xe^{-\alpha x}\,dx = \int_0^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}\left(xe^{-\alpha x}\right)\,dx = \int_0^\infty -x^2e^{-\alpha x}\,dx\;, \\ &\frac{d}{d\alpha}\left(a^{-2}\right) = -2a^{-3} \end{align*} であるから \begin{align*} \int_0^\infty x^2e^{-\alpha x}\,dx = 2a^{-3} \;. \end{align*} 少しくどいかもしれないが、もう一度やってみると \begin{align*} &\frac{d}{d\alpha}\int_0^\infty x^2e^{-\alpha x}\,dx = \int_0^\infty \frac{\partial}{\partial \alpha}\left(x^2e^{-\alpha x}\right)\,dx = \int_0^\infty -x^3e^{-\alpha x}\,dx\;, \\ &\frac{d}{d\alpha}\left(2\alpha^{-3}\right) = -6\alpha^{-4} \end{align*} であるので \begin{align*} \int_0^\infty x^3e^{-\alpha x}\,dx = 6\alpha^{-4} \;. \end{align*} これを繰り返していくことにより、 \begin{align*} \int_0^\infty x^ne^{-\alpha x}\,dx = n!\alpha^{-(n+1)} \end{align*} が得られる(どうしても「きちんと」したい、という方は、数学的帰納法を使うがよろしい)。そして最後に $\alpha=1$ とすれば \begin{align*} \int_0^\infty x^ne^{-x}\,dx = n! \end{align*} となる。当然のことながら、積分の漸化式を利用して求めた前の blog の結果と一致している。
この例は ふたりの微積分 という本でも紹介されている(もちろん他にもいろんな本で用いられているだろう)。そこではこの計算の骨格を『積分記号下の微分』と言っており、また偏微分記号 $\partial$ はつかわず、通常の $d$ が使われている。
$n$ は自然数、$a$ は実数であるとして、定積分 $\int_0^\infty x^ne^{-ax}\,dx$ を計算してみよう。積分される関数が指数関数を含んでいるので、おそらく部分積分でいけるのではないか、と予測してやってみると \begin{align*} \int_0^\infty x^ne^{-ax}\,dx &= \int_0^\infty x^n \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right)^\prime\,dx \\ &= \left[ x^n \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \right]_0^\infty - \int_0^\infty nx^{n-1} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \,dx \\ &= \frac{n}{a}\int_0^\infty x^{n-1}e^{-ax}\,dx \end{align*} となる。結果をみると、積分がもとの関数によく似ているので、ふたたび部分積分を適用すると \begin{align*} \int_0^\infty x^{n-1}e^{-ax}\,dx &= \int_0^\infty x^{n-1} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right)^\prime\,dx \\ &= \left[ x^{n-1} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \right]_0^\infty - \int_0^\infty (n-1)x^{n-2} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \,dx \\ &= \frac{n-1}{a}\int_0^\infty x^{n-2}e^{-ax}\,dx \;. \end{align*} 同様に繰り返すと \begin{align*} \int_0^\infty x^{n-2}e^{-ax}\,dx &= \int_0^\infty x^{n-2} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right)^\prime\,dx \\ &= \left[ x^{n-2} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \right]_0^\infty - \int_0^\infty (n-2)x^{n-3} \cdot \left(-\frac{1}{a}e^{-ax}\right) \,dx \\ &= \frac{n-2}{a}\int_0^\infty x^{n-3}e^{-ax}\,dx \end{align*} という計算ができ、漸化式の「芽」が見えてくる。実際 $J(n) := \int_0^\infty x^ne^{-ax}\,dx$ とあらわすことにすると \begin{align*} & J(n) = \frac{n}{a} \cdot J(n-1) \;, \\ & J(n-1) = \frac{n-1}{a} \cdot J(n-2) \;, \\ & J(n-2) = \frac{n-2}{a} \cdot J(n-3) \end{align*} となる。これから帰納的な関係として \begin{align*} J(n) = \frac{n}{a} \cdot J(n-1) = n \cdot (n-1) \frac{1}{a^2} \cdot J(n-2) = \cdots = \frac{n!}{a^n} \cdot J(0) \end{align*} となっていることが見てとれる。あとは $J(0)$ が求まれば良くて、 \begin{align*} J(0) = \int_0^\infty e^{-ax}\,dx = \left[ -\frac{1}{a}e^{-ax} \right]_0^\infty = \frac{1}{a} \end{align*} であるから \begin{align*} J(n) = \int_0^\infty x^ne^{-ax}\,dx = \frac{n!}{a^{n+1}} \end{align*} となり、$a=1$ の場合には \begin{align*} n! = \int_0^\infty x^ne^{-x}\,dx \end{align*} という階乗の積分表現が得られる。
さてここで、ちょっと考えてみる。$n$ は自然数でないとダメなのか?実際のところ、部分積分において使われる $(x^n)^\prime = n x^{n-1}$ は、$n$ が実数であっても成立する。したがって、$p$ が実数であるとしても、漸化式 $J(p) = (p/a) \cdot J(p-1)$ は成立する。ただ、一般項を求める部分ややこしくなる。
おおらかに考えると、まず、$n$ 自然数のときには $1/a$ を $n$ 回掛ければよかったのだが、実数 $p$ の場合にはどうする? すなおに考えれば、$p > 0$ であるならば、 \begin{align*} J(p) = \frac{p}{a} \cdot J(p-1) = p \cdot (p-1) \frac{1}{a^2} \cdot J(p-2) = \cdots \end{align*} となって、$1/a$ を掛ける回数は自然数を使ってなんとか表現できそうである(たとえば $p$ を超えない自然数 $k$ 回、のように)。ただそれでも、$J(0)$ で打ち止めといかなくなる。というか、そもそも $J(0)$ というものがあらわれてくるのか? $p$ が自然数でないと、$J(0)$ は出てきはしまい。つまり、このやり方で $n$ を実数に拡張するのは無理があるのだ。ということで、実数の階乗については、$\Gamma$ 関数が登場してくるのである。
sinc 関数の定積分 $\int_{-\infty}^\infty(\sin\lambda/\lambda)\,d\lambda$ の求め方には様々な方法があるだろうけれど、Fouriere 変換をつかうと以下のように手品の如く求められる。
まず \begin{align*} f(x) = \begin{cases} 1 &\quad (-1 \leq x \leq 1) \\ 0 &\quad( otherwise) \end{cases} \end{align*} という矩形関数を用意し、これを Fourier 変換すると($\lambda$ は実数) \begin{align*} F(\lambda) &= \int_{-\infty}^\infty e^{-i\lambda x}f(x)\,dx = \int_{-1}^1 e^{-i\lambda x}\,dx = \left[\frac{1}{-i\lambda}e^{-i\lambda x}\right]_{x=-1}^{x=1} \\ &= -\frac{1}{i\lambda} \left(e^{-i\lambda} - e^{i\lambda}\right) = \frac{2}{\lambda}\cdot\frac{e^{i\lambda} - e^{-i\lambda}}{2i} = 2 \frac{\sin\lambda}{\lambda} \end{align*} となる。複素指数関数の部分が三角関数になっていることを見抜くところが味噌である。
そして今度は Fourier 逆変換をおこなえば \begin{align*} f(x) = \frac{1}{2\pi}\int_{-\infty}^\infty e^{ix\lambda}F(\lambda)\,d\lambda = \frac{1}{\pi}\int_{-\infty}^\infty e^{ix\lambda}\frac{\sin\lambda}{\lambda}\,d\lambda \end{align*} したがって、 \begin{align*} f(0) = \frac{1}{\pi}\int_{-\infty}^\infty\frac{\sin\lambda}{\lambda}\,d\lambda \end{align*} となる。そしてまた $f(0)= 1$ であるから \begin{align*} \int_{-\infty}^\infty\frac{\sin\lambda}{\lambda}\,d\lambda = \pi \end{align*} というふうに求まるのである。
とはいえ、この手品、少々議論がおおらかすぎる。積分範囲には $\lambda = 0$ も含まれているし、$\lambda$ は分母でもあるのだから、そこを無視するわけにはいかないだろう。きちんと広義積分に則るべきなんだろうけれど、いまのところ私が納得のいくいい説明ができない。広義積分と $\lim_{\lambda \to 0}\sin\lambda/\lambda = 1$ という関係からうまくいかないかと目論んではいるのだが。
ということで、本日は一旦ここまで。
\begin{align} \frac{d}{d\alpha} \int_\mathbb{R} f(\alpha, x)\, dx = \int_\mathbb{R} \frac{\partial}{\partial \alpha}f(\alpha, x)\,dx \label{eq.00} \end{align} という等式がある。「微分と積分の順序交換」とか「積分下の微分」などと呼ばれることが多い等式である。この等式をぐっと睨むと、左辺では微分、右辺では偏微分になっていることが見えてくる。そして左辺の微分は積分記号の前、右辺の偏微分は積分記号の後ろに書かれていることも見えてくる。
ただこの両辺の形には、すこし曖昧なところがある。微分記号や偏微分記号の対象範囲が明確とは言い難いのだ。そこをきちんと書いてみると \begin{align*} \frac{d}{d\alpha} \left\{\int_\mathbb{R} f(\alpha, x)\, dx\right\} = \int_\mathbb{R} \left\{\frac{\partial}{\partial \alpha}f(\alpha, x)\right\}\,dx \end{align*} ということになる。この $\{\cdots\}$ の括弧については、「数学に染まって」いくことによって「なくても自明」ということになるのだろうけれども、やはり微分や偏微分の作用する範囲は意識はしておきたいものであると思う。ちなみに、$\int_\mathbb{R}$ のように書かれた $\mathbb{R}$ は、$dx$ で積分する領域を示す($\int_a^b$ という形の方が馴染みではある)。
$\int_\mathbb{R} f(\alpha, x)\,dx$ という式は、積分変数が $dx$ の定積分であるから、積分結果には $x$ に依存するもの、例えば別の $x$ の関数などは出てこないはずである。けれども、$\alpha$ の値によっては結果が異なると予想されるし、それが一般的でもあるはずだ。このことは、この定積分が $\alpha$ の関数である、ということを物語っていると言えよう。このような $\alpha$ は、往々にして「パラメタ」と言われるが、いろいろな値をとれるのだから、変化する量すなわち変数であるともみなせる。いったん変数とみてしまえば、$F(\alpha) = \int_R f(\alpha, x)\,dx$ という $\alpha$ を変数とする関数 $F(\alpha)$ が考えられるようになる。こう考えることによって、微分することへの躊躇も減る。微分の定義に基づいて臆することなく普通に計算すれば \begin{align*} \dfrac{dF(\alpha)}{d\alpha} &= \lim_{h \to 0}\dfrac{F(\alpha + h) - F(\alpha)}{h} \\ &= \lim_{h \to 0}\dfrac{\displaystyle{\int_\mathbb{R} f(\alpha + h, x)\,dx - \int_\mathbb{R} f(\alpha, x)\,dx}}{h} \\ &= \lim_{h \to 0}\dfrac{\displaystyle{\int_\mathbb{R} \left\{f(\alpha + h, x) - f(\alpha, x) \right\}\,dx}}{h} \\ &= \lim_{h \to 0}\int_\mathbb{R} \dfrac{f(\alpha + h, x) - f(\alpha, x)}{h}\,dx \end{align*} となる。最後の結果で、極限操作と積分の順序が交換できれば、 \begin{align*} \lim_{h \to 0} \int_\mathbb{R} \dfrac{f(\alpha + h, x) - f(\alpha, x)}{h}\,dx \notag = \int_\mathbb{R} \lim_{h \to 0} \dfrac{f(\alpha + h, x) - f(\alpha, x)}{h}\,dx \end{align*} となる。そしてここで $\lim_{h \to 0} \frac{f(\alpha + h, x) - f(\alpha, x)}{h}$ は、$f$ を $\alpha$ と $x$ の2変数関数であるとみなせば、$\alpha$ による偏微分の定義そのものである。 さらにそもそも、$\frac{dF(\alpha)}{d\alpha} = \frac{d}{d\alpha}\int_\mathbb{R} f(\alpha, x)\,dx$ であったのだからまとめると \begin{align*} \dfrac{d}{d\alpha}\int_\mathbb{R}f(\alpha, x)\,dx = \int_\mathbb{R}\dfrac{\partial}{\partial \alpha}f(\alpha, x)\,dx \end{align*} と \eqref{eq.00} そのものになる。つまり極限操作と積分の順序が交換できるのであれば、微分と積分の順序も交換できることになる。そして、微分が偏微分に変化することも納得できる。
極限操作と積分の順序が交換できるのは、$x$ の関数 $f(\alpha, x)$ がパラメタ $\alpha$ について一様収束するときであると思っているのだがさてどうだろうか。インターネット上の黒木氏のコンテンツでは、「ルベーグの収束性定理から正当化される」とある (このページ)。わたくしはこの定理には疎い。一様収束との関係もわかっていない。そもそも「ルベーグ」という名前が出てくるだけで避けて通る不甲斐なさが、わたくしにはある。このルベーグの収束性定理と一様収束との関係については、今後の課題としておきたい。
その上で。引用した黒木氏のコンテンツには、厳密性に対する姿勢というか向き合い方について、非常に示唆に富むことが書かれている。こういう専門家のアドバイスには勇気づけられる。
わたくしの my home page(右側のナビゲーションフィールドにあるものと同じ)には
ふとしたことで思いついた事柄を記した雑文。テーマは乱雑であり、内容は「極小モノグラフ」的である。
という姿勢で書き綴った私的ユリイカノートというコンテンツがあって、昨日そこに以下のものを追加した(今回はすべて PDF である)。
かつては \begin{align} & \sum_{k=0}^n k = 0 + 1 + 2 + \cdots + n = \frac{1}{2}n(n+1) \label{eq.1} \\ & \sum_{k=0}^n k^2 = 0^2 + 1^2 + 2^2 + \cdots + n^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(n+2) \label{eq.2} \end{align} という関係式にいろいろとお世話になった.そしてつい最近 \begin{align} & \sum_{k=0}^n k^3 = 0^3 + 1^3 + 2^3 + \cdots + n^3 = \frac{1}{4}n^2(n+1)^2 \label{eq.3} \end{align} というような計算をした。\eqref{eq.1} や \eqref{eq.2} と同じころにこの関係式も学習していたのだろうけれど、全くおぼえていなかったので、一から計算する羽目になった。そしてこの結果を見て \begin{align} \sum_{k=0}^n k^3 = \left(\sum_{k=0}^n k\right)^2 \label{eq.4} \\ \end{align} となっていることに気が付いた。なるほどね。そしてこの関係をつかえば \begin{align} \sum_{k=m}^n k^3 = \sum_{k=0}^n k^3 - \sum_{k=0}^{m-1} k^3 = \left(\sum_{k=0}^n k\right)^2 - \left(\sum_{k=0}^{m-1} k\right)^2 \label{eq.5} \end{align} ということも導き出せる。あ、ちなみにここまでの $m, n, k$ は自然数なのですね($0$ も仲間に入れている)。
積分で似た様なことにならないのかと思って \begin{align*} \int_a^b x^3\,dx = \left[\frac{1}{4}x^4\right]_a^b = \frac{1}{4}(b^4 - a^4) \;, \quad \int_a^b x\,dx = \left[\frac{1}{2}x^2\right]_a^b = \frac{1}{2}(b^2 - a^2) \end{align*} と計算し、「$\int_a^b x^3\,dx$ は $\left(\int_a^b x\,dx \right)^2$ と等しくはないではないか、やはり自然数と実数の世界は違うんだ、やれやれ」と短絡してその時は終わってしまった。
しかしまあ、これは余りにも短絡が過ぎるというものである。任意の区間の定積分で比べれば確かにその通りであるけれど、それではそもそもの \eqref{eq.1} や \eqref{eq.2}、\eqref{eq.3} の $\sum$ の精神を汲んでいない。$\sum$ の時と同じ様に範囲を定めるべきなのだ。散歩のあと珈琲を飲んでいたらそのことに気がついた。なのでいまこれを書いているのである。
$\sum$ の範囲を汲んで、落ち着いてきちんとやってみると \begin{align} & \int_0^n x^3\,dx = \left[\frac{1}{4}x^4\right]_0^n = \frac{1}{4}n^4 \;, \quad \int_0^n x\,dx = \left[\frac{1}{2}x^2\right]_0^n = \frac{1}{2}n^2 \notag \\ & \qquad\therefore \int_0^n x^3\,dx = \left(\int_0^n x\,dx \right)^2 \label{eq.6} \end{align} というように、和のときの \eqref{eq.4} と似た様な結果が得られる。また $\int_0^n = \int_0^m + \int_m^n \Leftrightarrow \int_m^n = \int_0^n - \int_0^m$ を使えば \begin{align} \int_m^n x^3\,dx = \int_0^n x^3\,dx - \int_0^m x^3\,dx = \left(\int_0^n x\,dx \right)^2 - \left(\int_0^m x\,dx \right)^2 \end{align} となって、これまた和のときの \eqref{eq.5} と似た様な結果が得られるのである。短絡はいけない。ましてや「自然数と実数の違いだ」などと馬鹿げた大言を壮語してはいけないのである。
さらに計算結果の数値を比べてみると \begin{align*} \sum_{k=0}^n k \ge \int_0^n x\,dx \;, \quad \sum_{k=0}^n k^3 \ge \int_0^n x^3\,dx \end{align*} となっている。わたくし的にはこれは少々意外な事実であった。
$\sum_{k=0}^n k^3 = \left(\sum_{k=0}^n k\right)^2$ のようななんとはなしに美しい関係[1]は他にはないのだろうか。 それを、積分の形を利用して見ていってみる。求めたい関係は、$p, q, r$ を自然数として \begin{align*} \int_0^n x^p\,dx = \left(\int_0^n x^q\,dx\right)^r & \iff \frac{1}{p+1}n^{p+1} = \left(\frac{1}{q+1}n^{q+1}\right)^r \\ & \iff \frac{1}{p+1}n^{p+1} = \frac{1}{(q+1)^r}n^{(q+1)r} \\ \end{align*} となるから \begin{align*} \begin{cases} p + 1 = (q+1)^r \\ p + 1 = (q+1)\cdot r \end{cases} \iff \begin{cases} p + 1 = (q+1)^r \\ (q+1)^r = (q+1)\cdot r \end{cases} \end{align*} が満たされる $p, q, r$ でなくてはならない。条件 $(q+1)^r = (q+1)\cdot r$ を道具にして $p, q, r$ を探していこう。
$q=0$ から始めると \begin{align*} (q+1)^r = (q+1)\cdot r \iff 1^r = r \quad \therefore r = 1 \end{align*} でしかなく、そのとき $p=0$ である。元の積分の式にいれると \begin{align*} \int_0^n x^0\,dx = \left(\int_0^n x^0\,dx\right)^1 \iff \int_0^n \,dx = \int_0^n \,dx \end{align*} という当たり前の式になる。
$q=1$ を考えると \begin{align*} (q+1)^r = (q+1)\cdot r \iff 2^r = 2r \quad \therefore r = 1, 2 \end{align*} であるから、そのときの $p$ はそれぞれ $p=1, 3$ である。元の積分の式にいれると \begin{align} & \int_0^n x^1\,dx = \left(\int_0^n x^1\,dx\right)^1 \iff \int_0^n x\,dx = \int_0^n x\,dx \label{aho} \\ & \int_0^n x^3\,dx = \left(\int_0^n x^1\,dx\right)^2 \iff \int_0^n x^3\,dx = \left(\int_0^n x\,dx \right)^2 \label{boke} \end{align} であり、\eqref{aho} は当たり前で、\eqref{boke} は先に見た \eqref{eq.6} そのものである。
$q=2$ では \begin{align*} (q+1)^r = (q+1)\cdot r \iff 3^r = 3r \quad \therefore r = 1 \end{align*} であるから、そのとき $p=2$ である。元の積分の式にいれると \begin{align*} & \int_0^n x^2\,dx = \left(\int_0^n x^2\,dx\right)^1 \iff \int_0^n x^2\,dx = \int_0^n x^2\,dx \end{align*} とあたりまえである。$r=1$ は常にこのようになる。
$q=3$ とすると \begin{align*} (q+1)^r = (q+1)\cdot r \iff 4^r = 4r \end{align*} となって、このような $r$ は $1$ 以外には存在しない。そして $r=1$ の時は $p=q$ となるので、あたりまえの結果しか得られない(いままで見てきた様に)。
そして $q$ が $3$ 以上の自然数である場合には $(q+1)^r = (q+1)\cdot r$ を満たす $r$ は $1$ 以外には存在しないのである[2]。つまり、「なんとはなしに美しい関係」は、\eqref{eq.6}(\eqref{boke} と同じ)の他にはないことがわかるのであった。
いろいろと雑知識にまみれてきたせいか、指数関数といえば $e^x$ が当たり前になってきているけれど、そういえば、高校時代は $e^x$ よりも先に $a^x$ という「普通の」指数関数が登場してきたのではなかったか? さらに、その頃の微分といえば接線とともにあったので、あまたある $a^x$ において $x=0$ の時の接線の傾き(微分係数)が $1$ になる場合として、$e^x$ が導入された(定義された)のだったと思う。 高校時代の教室ではそんななりゆきであったはず、と記憶している。
簡単に振り返ってみると、まず $a > 0$ であると釘をさされて、その上で $a^x$ の $x=0$ での微分係数を \begin{align*} \lim_{h \to 0}\frac{a^h - a^0}{h} = \lim_{h \to 0}\frac{a^h - 1}{h} \end{align*} ともとめた($a^0 = 1$ つまり指数が $0$ のときはすべて $1$ という事実は、すでに別のところで与えられていた)。 そしてこの極限値が $1$ になる、すなわち $x=0$ での接線の傾きが $1$ になるその数を特別に $e$ とした。 つまり \begin{align} \lim_{h \to 0}\frac{e^h - 1}{h} \equiv 1 \;. \label{eq.01} \end{align} ここから $e^x$ の導関数が \begin{align} \frac{de^x}{dx} = \lim_{h \to 0}\frac{e^{x+h} - e^x}{h} = \lim_{h \to 0}\frac{(e^x e^h) - e^x}{h} = e^x \lim_{h \to 0}\frac{e^h - 1}{h} = e^x \label{eq.02} \end{align} となり、導関数は同じ関数である、それゆえ、$n$ 階導関数も $e^x$ である、ということになった。
当時はおおらかで、というか、高校生相手だからだろうけど、$x=0$ で微分可能とか、そのような数は $e$ 以外にもあるかもしれない可能性とかには言及されていなかったように思う。
微分可能であるためには $h \to +0$ と $h \to -0$ の両方の極限が求まって、かつ一致することをいう必要がある。 $e$ 以外にもこのような数はないのかということについては、2次元平面上で点 $(x,y) = (0,1)$ を通り傾きが $1$ の直線はひとつしかない、という幾何学的事実を援用して、$e$ はひとつしかない、と言っていいはずである。 もしかしたら、教育に熱心であった M 先生や Y 先生はきちんとそこまで説明していたのかもしれないけれど、部活動やら体育祭文化祭やら音楽だ映画だ本だ野球だなどでなにかと忙しい青春時代だったから、覚えていないのかもしれない。M 先生 Y 先生ごめんなさい(先に謝っておいてしまおう)。
さらに、この $e$ が「ネイピア数」と呼ばれるもので \begin{align*} e = \lim_{N \to \infty}\left(1 + \frac{1}{N}\right)^N = \lim_{n \to 0}\left(1 + n\right)^\frac{1}{n} = 2.7182 \cdots \end{align*} という実体をもつものでもある、という教養も教わった。
しかしながら、この論法では、指数が実数の場合でも指数法則が成立することが暗黙に了解されている。 \eqref{eq.02} のところの $e^{x+h} = e^x e^h$ のところね(もとをたどれば、$a^{x+h} = a^xa^h$ の成立)。 これが気に入らないと言えば気に入らない。 そもそもその指数法則は、指数関数がまず始めに存在して、そこから導出されるものではなかったのか?
高校の教室では、このような道筋が選ばれるのは、教育的効果・効率を考えると、無理もないことであるとおもう。 なにせみんな解析学には素人なのだから。 これからその扉をあけようとするのだから。 一方で、高木貞治の解析概論[1]には、指数法則を前提にしない指数関数の構築方法の説明がある。
高木貞治「解析概論」の「53. 指数函数および三角函数」のところで指数関数の構築方法が述べられている。 その方法をなぞるとともに、わたくし的に納得がいかないところがあったので、それを記してみる。
高木貞治は、当該の箇所において今もし伝統を離れて,ひとまず有理式のみを既知の函数と考えて,その積分函数として生ずる新函数を考察するならば,自然に対数関数が得られ,その逆関数として指数関数が得られるであろう.と述べ、続けて
今その理論の概要を述べるが,虚心で考えるならば、それはすこぶる簡単である.と書いている。 虚心で考えれば、簡単なのか。 理解のために、わたくしなりに記号をあらためたうえで、疑問点をみていってみよう。
$u \gt 0$ として積分関数 \begin{align*} x(u) = \int_1^u \frac{1}{t}\,dt \end{align*} を考える。 解析概論では $\displaystyle{ y = \int_1^x \frac{dx}{x} }$ と書かれているが、この書き方は、よくもののわかった「大人の書き方」であって、積分下の積分変数と関数の変数の無名性を利用して積分関数にも同じ記号をつかう($x$ のこと)といった書き方をされると、なんだかまごついてしまう。 また、最後に変数を $y$ から $x$ にあらためるという行為を実行している。 なので、記号をあらためた。 さて、本題に戻ろう。 この積分関数においては \begin{align*} \begin{array}{r|ccc} u & 0 & \to & \infty \\ \hline x & -\infty & \to & \infty \end{array} \end{align*} である(この事実は補遺で示しておいた)。 したがって、$x(u)$ は単調増加関数であるので、逆関数 \begin{align*} u = f(x) \quad (-\infty \lt x \lt \infty) \end{align*} が存在する。 ここで $x(u)$ の定義に戻ると \begin{align*} \frac{dx}{du} = \frac{1}{u} \end{align*} となる。 これは、一瞬つまづくところでもある。 ところが、原始関数の存在定理と言われる定理があって、一般に($a$ は任意) \begin{align*} \frac{d}{du} \int_a^u h(t)\,dt = h(u) \end{align*} が成り立つ(解析概論では「32. 積分函数 原始函数」のところでこの定理が証明してある)。 したがって \begin{align*} \frac{df(x)}{dx} = \frac{du}{dx} = \frac{1}{\dfrac{dx}{du}} = \frac{1}{\dfrac{1}{u}} = u = f(x) \end{align*} である。$x$ での $n$ 階導関数を $f^{(n)}(x) \equiv f^{\prime\prime\cdots\prime}(x)$ などと書くことにすると \begin{align*} f^\prime(x) = f(x),\; f^{\prime\prime}(x) = f(x),\; \cdots,\; f^{(n)}(x) = f(x),\; \cdots \end{align*} となる。 微分しても関数形が変わらない。 $f(x)$ のマクローリン展開にこの事実を使えば \begin{align*} f(x) = \sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(0)}{n!} x^n = \sum_{n=0}^\infty \frac{f(0)}{n!} x^n \;. \end{align*} $f(0)$ となる $u$ は、そもそもの $x(u)$ の定義に戻ると $x = 0 \iff u = 1$ なので、$f(0) = 1$ である。 その結果 \begin{align*} f(x) = \sum_{n=0}^\infty \frac{x^n}{n!} \end{align*} これを「指数関数」と名付ける。
次に、$f(x + v)$ を $v$ の周りでテーラー展開する。 一般に \begin{align*} f(x+v) = f(x) + \frac{f^\prime(x)}{1!}v + \frac{f^{\prime\prime}(x)}{2!}v^2 + \cdots = \sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(x)}{n!}v^n \end{align*} であり、$f^{(n)}(x) = f(x)$ でもあるので \begin{align*} f(x+v) = \sum_{n=0}^\infty \frac{f^{(n)}(x)}{n!}v^n = \sum_{n=0}^\infty \frac{f(x)}{n!}v^n = f(x) \sum_{n=0}^\infty \frac{v^n}{n!} = f(x)f(v) \iff f(x+v) = f(x)f(v) \end{align*} となる。 この結果から、指数関数は、指数が実数の場合においても基本指数法則を満たしていることがわかる。 そしてこれを続けることによって \begin{align*} f(x_1 + x_2 + \cdots + x_n) = f(x_1)f(x_2) \cdots f(x_n) \end{align*} という事実が得られる。 $x_1 = x_2 = \cdots = x_n = 1$ という特別な場合を考え、かつ、$f(1) = \sum\frac{1}{n!} =: e$ というように記号 $e$ をあてがうと、 \begin{align*} f(n) = f(1)f(1) \cdots f(1) = e^n \end{align*} となる。 ここまでは良い。 ここで解析概論は
これは自然数 $n$ を指数とする巾(乗法 $e \cdot e \cdots e$)であるが,任意の $x$ に関しても同様の記号をもちいて $f(x)$ を \begin{align*} e^x \quad\text{または}\quad \exp(x) \end{align*} と書く. このようにして定義される函数を,底 $e$ の任意指数 $x$ に関する巾という.としている。 ここがわたくしの疑問なのである。
この論理は一般の指数関数のときにも用いられている。 その骨格は、正の実数 $c$ を用いて $g(x) := f(cx) = e^{cx}$ という関数をわざと考えて \begin{align*} g(x+u) = e^{c(x+u)} = e^{cx}e^{cu} = g(x)g(u) \end{align*} を導き出し(指数関数 $e^x$ が指数法則を満たすことを利用)、これを続けることによって \begin{align*} g(x_1 + x_2 + \cdots + x_n) = g(x_1)g(x_2) \cdots g(x_n) \end{align*} を導出している。 そしてやはり $x_1 = x_2 = \cdots = x_n = 1$ という特別な場合を考えて \begin{align*} g(n) = (g(1))^n = (e^c)^n = a^n \quad(a := e^c) \end{align*} を明らかにしている。 そしてここでも $n$ を $x$ にまで拡張して $a^x = g(x)$ としているのである。 やはり同様な疑問が生じる。
自然数 $n$ で成り立つからと言って、「同様な記号を用い」て $x$ にまで拡張できることの根拠は何なのだろうか? そう定義する、という風に納得すべき事柄なのだろうか? 今日現在でも、わたくしには、わかっていない。
とにかく、まあ、指数法則を前提にして指数関数をもとめるのではなく、指数関数を構築して、それが微分しても関数形が変わらないことを導き、テーラ展開(マクローリン展開も)の力を借りて指数法則を満たすことが導出できた。 さらにまた、新たな教養として、ネイピア数が \begin{align*} e = \sum_{n=0}^\infty\frac{1}{n!} \quad(0! \equiv 1) \end{align*} ともあらわされることを学んだ。
でもですね、虚心に考えてもそんなに簡単な物ではなかった、というのがいつわらざる実感。 それに、対象を有理式の関数のみと捉えたとしても、このように積分関数、原始関数存在定理、逆関数の導関数、マクローリン展開、テーラ展開と総動員体制で構築するのだから、高校の教室でこれをやるには無理があるよなぁ。 それゆえに、先に指数法則を認め、接戦の傾きが $1$ となる指数関数を $e^x$ とするという道筋は合理的であると思えてきた。 高校の教室には高校の教室なりのやり方があったのだろう。
しかし、どうして $n$ を $x$ にできるんだろうか。。。
$u \gt 0$ として積分関数 $\displaystyle{ x(u) = \int_1^u \frac{1}{t}\,dt }$ が単調増加であることを説明してみよう。 グラフを描いてみると
となる。 被積分関数 $1/t$ のの原始関数を $F(t)$ とすれば \begin{align*} x = \int_1^u \frac{1}{t}\,dt = F(u) - F(1) \end{align*} である。 これをグラフ上の面積との関連で考えてみよう[2]。$1 \leq t \leq u$ で囲まれる面積は、グラフからも明らかなように $u$ が増加していけば行くほど増えていく。 そして $1/t$ は決して $0$ にはならないので、面積に上限はない。 したがって $u \to \infty \Longrightarrow x \to \infty$。 また、$u = 1$ で $x = 0$ でもある。
$u \leq t \leq 1$ で囲まれる面積は $F(1) - F(u)$ であり、$u$ が $0$ に近づくにつれ増大し、上限は存在しない。 一方 \begin{align*} F(1) - F(u) = \int_u^1 \frac{1}{t}\,dt = - \int_1^u \frac{1}{t}\,dt = -x \end{align*} である。 それゆえ $u \to 0 \Longrightarrow x \to -\infty$ である。 これは、$u \to 1 \;(0 \lt u)$ のときには $x$ は単調に減少し、$u = 1$ で $x = 0$ となることを示している。
第19刷が出版されたのは、1977 年 6 月 20 日である。 本稿で述べた部分は、その後の改定があったのだろうか?
著者は、積分と言えば面積、という流れを気にいっていないようだ(p.125)。 確かにそれだけで積分を語るのはお門違いではあると思うが、使えるときには使えるものは使うという姿勢はありであると思う。 そういえば、著者の森は、どこかで「解析概論は鑑賞するものだ」というような言説をアジっていたはず。 なんの本だったか思い出せないのだけれど、今回そのアジにのってしまったのかもしれない。
\begin{align*} 1/81 = 0.0123456790123456790123456790123456790123 \cdots \end{align*} である。 この循環性と $8$ が存在しないことはどこからくるのか?
$S = P \cdot P$ において、$P$ が多項式 $a_1 + a_2 + a_3 + \cdots$ とあらわされる場合には \begin{align*} S = PP = (a_1 + a_2 + a_3 + \cdots )P = a_1 P + a_2 P + a_3 P + \cdots \end{align*} となる。ここまでは一般論。 そしてここからは、具体的な計算結果が必要。 まず、$P = 1/9$ のとき、つまり $S = (1/9) \cdot (1/9) = 1/81$ を考えてみると、 \begin{align*} P = 0.11111111111111111111\cdots = 0.1 + 0.01 + 0.001 + \cdots \end{align*} となるから \begin{align*} S = PP = 0.1 P + 0.01 P + 0.001 P + \cdots \;. \end{align*} さて、この式において、$P$ の係数はそれぞれ $P$ の小数点を右にひとつ、2つ、3つ‥‥とずらす作用があるから 各項の小数点を揃えて、行番号を付けて書くと \begin{alignat*}{3} &(1)\quad & &0.1 P & &= 0.011111111111111111111\cdots \\ &(2)\quad & &0.01 P & &= 0.0011111111111111111111\cdots \\ &(3)\quad & &0.001 P & &= 0.00011111111111111111111\cdots \\ &(4)\quad & &0.0001 P & &= 0.000011111111111111111111\cdots \\ &(5)\quad & &0.00001 P & &= 0.0000011111111111111111111\cdots \\ &(6)\quad & &0.000001 P & &= 0.00000011111111111111111111\cdots \\ &(7)\quad & &0.0000001 P & &= 0.000000011111111111111111111\cdots \\ &(8)\quad & &0.00000001 P & &= 0.0000000011111111111111111111\cdots \\ &(9)\quad & &0.000000001 P & &= 0.00000000011111111111111111111\cdots \\ &(10)\quad & &0.0000000001 P & &= 0.000000000011111111111111111111\cdots \\ &(11)\quad & &0.00000000001 P & &= 0.0000000000011111111111111111111\cdots \\ &\cdots & &\cdots & &\cdots \end{alignat*} となる。(1) から (9) までを縦に足して左側の桁に注目すると \begin{align*} 0.0123456789 + (something) \end{align*} これに (10) をくわえると \begin{align*} 0.0123456790 + (something) \end{align*} なので $8$ が消える、、、
などと書き連ねましたが、これはあまりにも効率が悪い。 やり直しである。 \begin{align*} P = 0.11111111111111111111\cdots = 0.1 + 0.01 + 0.001 + \cdots = a_1 + a_2 + a_3 + \cdots \end{align*} とすると \begin{align*} S = PP =&\; (a_1 + a_2 + a_3 + \cdots) \cdot (a_1 + a_2 + a_3 + \cdots) \\ =&\; a_1(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\;\quad\quad + \\ &\; a_2(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\; \quad\quad + \\ &\; a_3(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\;\quad\quad + \cdots \end{align*} である。さてこのとき $a_1, a_2$ の生態から \begin{align*} & a_1 a_1 = a_2,\quad a_1 a_2 = a_3, \\ & a_2 a_1 = a_3,\quad a_2 a_2 = a_4 \end{align*} であることがわかる。 一般化すれば、$a_m = 1/10^m,\, a_n = 1/10^n$ であることから、 \begin{align*} a_m a_n = a_{m+n} \;. \end{align*} これをもちいると \begin{align*} S =&\; a_1(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\;\quad\quad + \\ &\; a_2(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\; \quad\quad + \\ &\; a_3(a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_n + \cdots) \\ &\;\quad\quad + \cdots \\ =&\; a_2 + a_3 + a_4 + \cdots + a_{n+1} + \cdots \\ &\;\quad\quad + \\ &\; a_3 + a_4 + a_5 + \cdots + a_{n+2} + \cdots \\ &\; \quad\quad + \\ &\; a_4 + a_5 + a_6 + \cdots + a_{n+3} + \cdots \\ &\;\quad\quad + \cdots \\ =&\; a_2 + 2a_3 + 3a_4 + 4a_5 + \cdots + na_{n+1} + \cdots \\ =&\; 0.01 + 0.002 + 0.003 + 0.0004 + \cdots \end{align*} となって、 \begin{align*} S_1 :& = a_2 + 2a_3 + 3a_4 + 4a_5 + 5a_6 + 6a_7 + 7a_8 + 8a_9 + 9a_{10} \\ & = 0.0123456789 \end{align*} になることがわかる。 変化が起きるのは $10a_{11}$ からである。 具体的に書き記すと \begin{align*} S_2 :& = 10a_{11} + 11a_{12} + 12a_{13} + 13a_{14} + 14a_{15} + 15a_{16} + 16a_{17} + 17a_{18} + 18a_{19} + 19a_{20} \\ & = 10a_{11} + (10+1)a_{12} + (10+2)a_{13} + \cdots + (10+9)a_{20} \\ & = 10(a_{11} + a_{12} + \cdots + a_{20}) + (a_{12} + 2a_{13} + \cdots + 8a_{19} + 9a_{20}) \end{align*} となるのであるが、ここでまた $a_n$ の生態から $10a_n = a_{n-1}$ があきらかなので \begin{align*} & = (a_{10} + a_{11} + \cdots + a_{19}) + (a_{12} + 2a_{13} + \cdots + 7a_{18} + 8a_{19} + 9a_{20}) \\ & = a_{10} + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 8a_{18} + 9a_{19} + 9a_{20} \end{align*} となる。したがって、 \begin{align*} S_1 + S_2 & = a_2 + 2a_3 + 3a_4 + \cdots + 19a_{20} \\ & = a_2 + 2a_3 + 3a_4 + 4a_5 + 5a_6 + 6a_7 + 7a_8 + 8a_9 + 9a_{10} + a_{10} + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 8a_{18} + 9a_{19} + 9a_{20} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 8a_9 + 10a_{10} + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 8a_{18} + 9a_{19} + 9a_{20} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 8a_{18} + 9a_{19} + 9a_{20} \end{align*} となって、最初の $8$ が消えてしまうことがわかる。
もう $10$ 個やってみよう。 \begin{align*} S_3 & := 20a_{21} + 21a_{22} + 22a_{23} + \cdots + 29a_{30} \\ & = 20(a_{21} + a_{22} + \cdots + a_{30}) + (a_{22} + 2a_{23} + \cdots + 8a_{29} + 9a_{30}) \\ & = (2a_{20} + 2a_{21} + \cdots + 2a_{29}) + (a_{22} + 2a_{23} + \cdots + 8a_{29} + 9a_{30}) \\ & = 2a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 7a_{26} + 8a_{27} + 9a_{28} + 10a_{29} + 9a_{30} \\ & = 2a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 7a_{26} + 8a_{27} + 10a_{28} + 9a_{30} \\ & = 2a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 7a_{26} + 9a_{27} + 9a_{30} \end{align*} となるから、 \begin{align*} S_1 + S_2 + S_3 & = a_2 + 2a_3 + 3a_4 + \cdots + 29a_{30} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 7a_{17} + 8a_{18} + 9a_{19} + 9a_{20} + 2a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 7a_{26} + 9a_{27} + 9a_{30} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 7a_{17} + 8a_{18} + 9a_{19} + 11a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 9a_{27} + 9a_{30} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 7a_{17} + 8a_{18} + 9a_{19} + 10a_{20} + a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 9a_{27} + 9a_{30} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 7a_{17} + 8a_{18} + 10a_{19} + a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 9a_{27} + 9a_{30} \\ & = a_2 + 2a_3 + \cdots + 7a_8 + 9a_9 + a_{11} + 2a_{12} + 3a_{13} + \cdots + 7a_{17} + 9a_{18} + a_{20} + 2a_{21} + 3a_{22} + 4a_{23} + \cdots + 9a_{27} + 9a_{30} \end{align*} となって、2個目の $8$ も消えてしまう。 10 桁づつやると、繰り上がりが発生して、それが前方の $8$ のところに及ぶのである。 以下、気が遠くなるくらいこれを繰り返せば \begin{align*} 1/81 = 0.0123456790123456790123456790123456790123 \cdots \end{align*} が得られる(記述にミスがないことを願っている)。
さてさて。 $1/9801 = (1/99)\cdot(1/99)$ であるから、 \begin{align*} 1/99 = 0.01010101010101010101 \cdots \end{align*} を利用して同様な方法論でやれば、 \begin{align*} 1/9801 = 0.0001020304050607080910111213141516171819 \cdots \end{align*} が得られる。$1/998001 = (1/999)\cdot(1/999)$ も \begin{align*} 1/999 = 0.0010010010010010010010010010010010010010 \cdots \end{align*} なので \begin{align*} 1/998001 = 0.0000010020030040050060070080090100110120 \cdots \end{align*} となる。「同様な方法論で」と書いたけれど、実際にやってみる気にはならないなぁ。 それに、そもそもやり直した割には、力づくの計算になっている。 エレガントさからは遠い。 Internet 上にはもっと良質な説明があるに違いない。
# その前に <head> ... </head> 内で mathjax を有効化しておかなくてはならないのはもちろんである。
ところが.実は,この変数名と関数名が同一ということを無意識に諒解していたものがある.物理でおなじみの座標変数である.点を $P(x, y)$ と書き,$x,\, y$ は座標値と考える.そして実は$x(t),\, y(t)$ であるから,縦横無尽に $x$ や $y$ を $t$ で微分したり積分したりしていたのであった.あるときは変数,あるときは関数.数学では(少なくとも筆者の高校時代では)こういうことをきちんとし区別していて,関数として $x(t), y(t)$ を扱う場合には,点の「軌跡を考える」,という物言いをしていたように思う.やはり物理はおおらかだったのだろうか?というか,数学がきちんとしている,ということだろうか?この「大人の書き方」のご利益は,多変数関数の偏微分を駆使する際によりあらわになると思われる.$F(X, Y)$ で,$X,\, Y$ が各々 $x,\, y,\, t$ の関数であるというような場合,礼儀正しく行けば $X = \phi(x, y, t),\;Y = \psi(x, y, t)$として,
数学的な概念やタームを説明する場合,まず始めににその対象の定性的性質を描き,その性質を満たすも のを「『何某』であると定義する」という形がとられることが多いと思う.対象の定性的性質がわかりやす い場合には有効な形式であるけれども,いろいろ込み入ってくるとなかなかそうもいかない.そして往往に して,定性的性質を描く際には,その「『何某』の定義」が暗黙に前提され背景化されている場合が多く, 初めて学ぶうぶな時には定性的性質を把握しづらいというのも事実であるなどと生意気にも書き記し、さらに、
イメージ豊かに生き生きとその定性的性質を思い描ける,というのが「才能」であるのだろう.そこで我々 のような凡人は,定性的性質の不完全なイメージと実際の定義をあわせもって微修正しつつ,自らのイメー ジを作成するという方法をとる.それが学習というものなんだろうと思ったりする.
ある場合には,その『何某』であるという定義を先に認めてしまい,そこから定性的性質をイメージする努 力をするということも効果的な方法なのだ,と考えたりもする.なにより「はっきり」と論が進められるよ うな気になれるのがよい.などとグダ沼化した言い訳めいたものをも書き殴っていたのでありました。
#include <string.h>
#include <stdio.h>
int
main(int argc, char *argv[])
{
char c;
char *p;
int i;
c = "string"[3];
printf("%c\n", c);
c = 3["string"];
printf("%c\n", c);
p = "string";
for (i = 0; i < strlen(p); i++) {
c = i[p];
printf("%c\n", c);
}
}
NAME = noname
#.SUFFIXES: .pdf .gplt
all: $(NAME).ps
$(NAME).ps: $(NAME).tex \
relation.tex \
real-explow.tex
platex $(NAME).tex
pbibtex $(NAME)
platex $(NAME).tex
dvips $(NAME).dvi
dvipdfmx $(NAME).dvi
.PRECIOUS: %.pdf
%.xbb: %.pdf
extractbb $*.pdf
%.pdf: %.gplt
$<
epstopdf $*.ps
.PHNOY: clean
clean:
rm -f *.ps *.pdf *.dvi *.log *.pic *.gpic *.gif *.aux *.toc *.xbb *.bbl *.blg *~
pandoc:
pandoc --mathjax -s $(NAME).tex -o $(NAME).pandoc.html
pandoc2:
pandoc --mathjax --template=./template.html -s $(NAME).tex -o $(NAME).pandoc.html
最後は sh。どうしてこういうコードになっているかはもはや思い出せない(タイムスタンプ見たら、Jun 15 1992 だった…)。
#! /bin/sh
#
# $Id: chkdef,v 1.1 1992/06/15 01:43:52 hisasima Exp hisasima $
#
# $Author: hisasima $
#
# Check multiple define symbol in C source files.
#
TMP=/tmp/aho.$$
IDFILE=/tmp/id.$$
trap '/bin/rm -f $TMP $IDFILE; exit 1' 1 2 9 15
egrep '^#[ ]*define' "$@" /dev/null | \
sed 's:#[ ]*define:#define' | sort > $TMP
cat $TMP | while read DUMMY1 IDENT DUMMY2
do
IDENT=`echo $IDENT | sed 's:(.*::'`
echo $IDENT
done | sort | uniq > $IDFILE
cat $IDFILE | while read IDENT
do
LOTS=`egrep $IDENT $TMP | wc -l`
if [ $LOTS -ne 1 ]
then
egrep $IDENT $TMP
fi
done
/bin/rm -fr $TMP $IDFILE